2008年12月26日

環境省、温泉の枯渇防止の指針案を策定−掘削禁止区域の設定容認

 環境省が2008年12月26日、温泉の枯渇防止のための指針案をまとめたことが明らかになった。同日付の毎日新聞が伝えた。

 指針案の内容は12月26日夜の段階で環境省の公式サイトには掲載されていないので報道内容に頼るしかないのだが、指針案は掘削禁止区域の設定等を容認するのが柱となっている。現在は各都道府県が独自に規制しており、国としては初めての指針案となった。一般の意見を募ってから正式決定し、2008年度中に各自治体に通達するとのことなので、そのうち環境省のサイトでもパブリックコメントの実施が告知されるはずだ。

 報道によると、指針案が掘削禁止区域の対象としているのは、(1)温泉の枯渇が発生している(2)過去に枯渇し始めたが、その後にくみ上げを抑制したことで枯渇が収まっている−などの例。多くの都道府県で既存源泉から300−500メートル内での新規掘削を規制していることについては、環境省独自の試算により「枯渇防止に有効」との判断を示している。

 国が近く統一的なルールを導入する意味は大きい。現在は各都道府県がそれぞれ独自に規制している。自治体が「既存源泉への影響が懸念される」として掘削を認めず、行政訴訟にもつれ込んで自治体側が敗訴する例が、このブログを始めてからの3年余りで私の知る限り群馬(県側の敗訴が確定)、石川(一審で県側が敗訴)と2件起きている。

【過去の関連記事】
石川・山代温泉の新源泉掘削めぐる訴訟で県が控訴へ(2008年12月6日)
石川・山代温泉の新源泉掘削めぐる訴訟で県側が敗訴(2008年11月29日)
北海道・支笏湖温泉の湯量が開湯時の4割まで減少(2008年9月11日)
石川・山代の2旅館による温泉掘削申請に県が不許可の判断(2007年1月14日)
岐阜・高山で共立メンテナンスの温泉掘削に地元の同業者が反発(2007年8月8日)
群馬県がみなかみ鈴森商事の温泉掘削を許可−判決確定で(2006年10月18日)
群馬県の敗訴が確定−温泉掘削許可めぐる訴訟(2006年9月15日)
群馬県が控訴審でも敗訴−温泉掘削不許可で(2006年8月31日)
群馬県が敗訴−温泉掘削に周辺源泉所有者の同意は不要との判断(2006年2月9日)

かんぽの宿70施設の譲渡先にオリックス不動産が決定

 オリックス不動産株式会社は2008年12月26日、かんぽの宿全国70施設と社宅9施設の譲渡先として同社が選定されたと発表した。日本優勢株式会社による事業譲渡は2009年4月1日付で実施される。オリックスに譲渡されるかんぽの宿は以下の通り(温泉を利用していない施設を含む)。
■北海道・東北
小樽(北海道小樽市)、十勝川(北海道河東郡)、一関(岩手県一関市)、横手(秋田県横手市)、松島(宮城県松島市)、酒田(山形県酒田市)、郡山(福島県郡山市)、いわき(福島県いわき市)

■関東・甲信越
大洗(茨城県東茨城郡)、潮来(茨城県潮来市)、塩原(栃木県塩原市)、栃木喜連川温泉(栃木県さくら市)、草津(群馬県吾妻郡)、磯部(群馬県安中市)、寄居(埼玉県大里郡)、ラフレさいたま(埼玉県さいたま市)、旭(千葉県旭市)、勝浦(千葉県勝浦市)、鴨川(千葉県鴨川市)、青梅(東京都青梅市)、箱根(神奈川県足利下郡)、石和(山梨県笛吹市)、諏訪(富山県富山市)、柏崎【休館中】

■中部
富山(富山県富山市)、山代(石川県加賀市)、白山尾口(石川県白山市)、福井(福井県福井市)、熱海(本・別)(静岡県熱海市)、伊豆高原(静岡県伊東市)、修善寺(静岡県伊豆市)、焼津(静岡県焼津市)、浜名湖三ケ日(静岡県浜松市) 、三ヶ根(愛知県幡豆郡)、知多美浜(愛知県知多郡) 、恵那(岐阜県恵那市)、岐阜羽島(岐阜県羽島市) 、鳥羽(三重県鳥羽市)、熊野(三重県熊野市)

■近畿
彦根(滋賀県彦根市)、富田林(大阪府富田林市)、大和平群(奈良県生駒郡)、奈良(奈良県奈良市)、紀伊田辺(和歌山県田辺市)、白浜(和歌山県西牟婁郡)、有馬(兵庫県神戸市)、赤穂(兵庫県赤穂市)、
淡路島(兵庫県淡路市) 、舞鶴【休館中】

■中国・四国
皆生(鳥取県米子市)、美作湯郷(岡山県美作市)、庄原(広島県庄原市)、竹原(広島県竹原市)、光(山口県光市)、湯田(山口県山口市)、坂出(香川県坂出市)、観音寺(香川県観音寺市)、徳島(徳島県徳島市)、道後(愛媛県松山市)、伊野(高知県吾川郡)

■九州
北九州(福岡県北九州市)、柳川(福岡県柳川市)、宇佐(大分県宇佐市)、別府(大分県別府市)、日田(大分県日田市)、山鹿(熊本県山鹿市)、阿蘇(熊本県阿蘇市)、日南(宮崎県日南市)、那覇(沖縄県那覇市)、島原【休館中】
 オリックスグループでは今回の事業取得により客室4200室余り、年間宿泊者250万人超の国内最大規模の温泉旅館ネットワークを構築できるとみている。既に鳴子ホテルなど4軒の旅館・ホテルの再生に取り組んでおり、これまでに培ったノウハウをかんぽの宿の運営に活かしたい考え。

【参考】オリックスのプレスリリース(PDFファイル)

2008年12月24日

極楽湯が第三者割当増資を中止−香港企業との協議決裂

 スーパー銭湯チェーンの極楽湯(JASDAQ上場)は2008年12月24日、翌日に予定していた第三者割当増資を中止したと発表した。

 11月21日の発表によると、600万株の新株を発行して香港のBeautiful Orient Group Limitedに割り当て、概算で12億8800万円を調達、Beautiful Orient社は極楽湯の筆頭株主になる見通しだった。予定されていた新株の発行価額は216円(12月24日の終値は212円)。

 今回の増資を中止したのは、Beautiful Orientの親会社であるAID Partners Groupと極楽湯の間で協力関係や調達資金の使途について意見が食い違い、最終的に合意できなかったため。調達資金を既存店の運転資金と新規出店に充てる計画だった極楽湯は、増資を中止しても資金調達の必要性はあるとしており、今後他の資金調達方法を検討する。

【参考】極楽湯のプレスリリース(PDFファイル)

【過去の関連記事】
極楽湯の筆頭株主が香港系企業に−第三者割当増資で(2008年11月21日)
東京・日野市への出店計画を極楽湯が中止(2008年12月19日)
福島・極楽湯福島郡山店2009年3月オープンへ(2008年11月17日)

【特別企画】2008年の人気記事

 年末特別企画。2008年にアクセスの多かった記事は以下の通り。今年はまだあと1週間あるけれど、どの記事も次の順位まで数百から数千単位の差があるので逆転することは考えにくい。

 1位 大阪狭山・スパヒルズ(旧はいから村)1月オープンへ

 2位 大阪狭山・スパヒルズ(旧はいから村)1月25日オープン

 3位 大阪・茨木「彩都天然温泉すみれの湯」4月28日オープン

 4位 石川・加賀「大江戸温泉物語片山津温泉ながやま」7月18日オープン

 5位 大阪狭山・クアリゾートはいから村1月末で閉館

 6位 埼玉・戸田「七福の湯」2008年4月以降オープンへ−温泉掘削中

 7位 大阪・阪南「平野台の湯安庵」4月1日オープン

 8位 石川・片山津「ホテルながやま」を大江戸温泉物語が取得

 9位 大阪・堺「御陵天然温泉亀の湯」4月23日オープン

10位 【特報】大阪・りんくうシークル温泉開業不透明に−ワンディ・スパ経営難で

 大阪狭山の「スパ・ヒルズ」関連記事が1位、2位、5位と3本すべてランクインした。しかも1位と5位は2007年に出稿した記事。検索エンジンで古い記事が上位表示されたのが理由とはいえ、すごい人気ぶりだった。1位の記事は2007年の人気ランキングでも2位に入っている。スパヒルズ(旧はいから村)関連の記事3本をまとめると、このブログを初めてからで最大のアクセスを集めた記事になったことは確実だ。

 大阪関連の記事が6本、関東は埼玉・戸田七福の湯の1本だけと、西高東低の傾向がくっきりした。石川・片山津のながやま関連記事も2本ランクインと健闘している。

 個人的に感慨深いのは10位のりんくうシークル関連記事。何人もの人に助けてもらって書いた渾身のスクープ(!?)のつもりで、自分では誇りに思っている。全く違った意味で印象深いのは7位の平野台・安庵だけど今は「何も言えねぇ…」(苦笑)。あと1週間お待ちを。

【参考】2007年の人気記事ランキング

2008年12月14日

湯快リゾート1/7−2/27は一泊6800円に−5周年記念で割引

 各地で温泉旅館の再生を進めている湯快リゾートは開業5周年記念キャンペーンとして、傘下の11施設の大人宿泊料を2009年1月7日から2月27日まで1000円引き下げて6800円とする(土曜と休前日を除く)。対象となるのは以下の施設。
■北陸
花・彩朝楽
彩朝楽
あわづグランドホテル
あわづグランドホテル別館
山中グランドホテル
ホテル大黒せせらぎ亭

■下呂
下呂彩朝楽
下呂彩朝楽別館

■南紀
越之湯
ホテル千畳
白浜御苑
 宿泊料は税・サービス料込みで入湯税別。小学生は6800円、幼児は3900円で通常料金と同じ。3歳未満は無料。詳細とキャンペーン料金での予約は下記リンク先の公式サイトで。

【参考】湯快リゾート公式サイトの5周年記念キャンペーン関連ページ

2008年12月12日

「にっぽんの温泉100選」で草津が6年連続1位

 観光経済新聞社が主催する第22回「にっぽんの温泉100選」で草津温泉(群馬)が6年連続で1位に輝いた。2008年12月20日付の観光経済新聞(ネット上で12月12日公開)が伝えた。

 昨年4位と5位だった登別(北海道)と指宿(鹿児島)がそれぞれ2位、3位と順位を上げた半面、由布院(大分)、黒川(熊本)が4位、5位と入れ替わった。それだけに6年連続で不動の1位を死守している草津の強さが際立つ結果となった。上位10位までのランキングは以下の通り。
 1位(1) 草津(群馬)
 2位(4) 登別(北海道)
 3位(5) 指宿(鹿児島)
 4位(2) 由布院(大分)
 5位(3) 黒川(熊本)
 6位(8) 別府(大分)
 7位(11)下呂(岐阜)
 8位(6) 有馬(兵庫)
 9位(7) 道後(愛媛)
10位(13)鬼怒川(栃木)
 下呂(岐阜)と鬼怒川(栃木)がトップ10入りした代わり、昨年9位だった和倉(石川)と10位だった城崎(兵庫)が圏外に後退した。

2008年12月02日

オリエンタル白石が倒産、自力再建目指す−「季乃彩」の事業主体

 温浴事業に参入した東証一部上場の建築・土木会社「オリエンタル白石株式会社」が2008年11月26日、東京地裁に会社更生法の適用を申請して受理された。負債総額は605億円。保全管理人の下で経営再建を目指す。

 オリエンタル白石は2007年11月末にオープンした東京都稲城市のスーパー銭湯「季乃彩」の事業主体(運営は別会社)であるほか、2009年春には愛知県一宮市に「天然温泉 一宮の湯」、神奈川県秦野市に「秦野天然温泉」(ともに仮称)のオープンを計画していた。

 倒産の背景は、公共工事が減少して原材料価格が高騰した一方で、経費削減が予定通りに進まなかったことにある。2008年3月期決算で100億円近い最終赤字を計上し、世界的な金融危機の影響でつなぎ資金が調達できなくなって資金繰りに行き詰った。

 2008年4月初めに鬼太鼓さんが提供してくれた「一宮の湯」建設現場の画像(下掲)によると、建設工事期間は2008年8月1日から2009年3月末までの予定となっていて、4月初めの段階では温泉の掘削櫓があるだけだった(下記リンク先の過去記事を参照)。現在、施設の建設地がどのような状態にあるのかは不明。12月2日現在、オリエンタル白石の公式サイトには温浴事業の先行きについての情報は見当たらない。


(注:2008年4月初めに鬼太鼓さんが撮影、提供してくれた画像)

【参考】帝国データバンクの倒産速報

【過去の関連記事】
愛知・一宮に「天然温泉一宮の湯」2009年春開業へ−源泉掘削中(2008年4月2日)
東京・稲城天然温泉「季乃彩」11月26日オープン(2007年9月28日)

2008年11月21日

極楽湯の筆頭株主が香港系企業に−第三者割当増資で

【注】下記の第三者割当増資は直前に中止された。詳細は末尾リンク先の続報を参照。(12月24日)
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 スーパー銭湯チェーンの極楽湯は2008年11月21日、第三者割当増資を12月25日に実施すると発表した。発行する新株は600万株で、その全てを香港のBeautiful Orient Group Limited(BOG)に割り当てる。極楽湯が調達する資金は概算で12億8800万円。

 BOGは香港の投資会社AID Partners Groupが極楽湯への投資を目的に設立した特別目的会社(SPC)で、業務執行責任者は極楽湯の新川隆丈社長。今回の第三者割当増資により、BOGは極楽湯の株式の34.23%を保有する筆頭株主となる。

 AID Partners Groupは2007年4月設立の新興投資会社。極楽湯の企業理念と事業展開を理解したうえで、中長期的な協力関係を維持し株式を保有する方針を示したことが、極楽湯への資本参加につながった。

 極楽湯は11月17日、福島郡山店(2009年3月中旬予定)と千葉店(2009年5月下旬)の出店計画を発表したばかり(千葉店は「天然温泉」の文字がなかったので当ブログでは紹介していない)。今回の増資で調達する資金は2008年12月25日から2010年3月末にかけ新規出店・既存店の設備投資などに充てられる見通し。

【参考】極楽湯のプレスリリース(PDFファイル)

【続報】極楽湯が第三者割当増資を中止(2008年12月24日)

2008年11月18日

温泉関連の排水対策促進検討会11/28に第2回会合を開催

 環境省は2008年11月18日、第2回の「ほう素・ふっ素等に係る排水対策促進検討会温泉分野技術検討会」を11月28日に開催すると発表した。検討会は公開され、事前に申し込めば傍聴することができる(申し込み先着15人まで)。

 検討会は11月28日の午後1時半から午後4時までの予定で、株式会社日水コン2205会議室(新宿区西新宿6−22−1 新宿スクエアタワー22階)で開かれる。傍聴希望者は11月26日までに申し込みが必要。詳細は下記リンク先の参考サイトを参照。

【参考】環境省のプレスリリース(11月18日付)

【過去の関連記事】
温泉関連の排水対策促進検討会10月10日に第1回会合(2008年10月3日)
環境省、温泉排水の実態調査へ−全国10−20カ所の温泉地で(2008年2月25日)
温泉排水のフッ素とホウ素を回収、再利用へ−環境省の3年計画(2007年9月18日)
環境省、温泉排水に関するパブリックコメントの結果を発表(2007年5月26日)
環境省、温泉排水基準の規制強化先送りを発表(3月30日)
環境相、温泉排水基準の規制強化を先送りする意向(3月21日)
【コラム水質汚濁防止法】規制強化の先送りだけでは不十分(2月25日)

2008年10月08日

「紅葉の時期に行きたい温泉」1位は由布院−gooランキング

 大手ポータルサイトのgooが運営するgooランキングがまとめた「効用の時期に行きたい温泉」ランキングは、由布院(大分)、鬼怒川(栃木)、草津(群馬)の順となり、各種ランキングで常に上位に食い込む黒川(熊本)は8位にとどまった。

 調査は2008年9月24−26日にかけてインターネットで実施、1044人から有効回答を得た(調査概要)。上位20位の顔ぶれは以下の通り。
 1位 由布院(大分)
 2位 鬼怒川(栃木)
 3位 草津(群馬)
 4位 登別(北海道)
 5位 別府(大分)
 6位 下呂(岐阜)
 7位 高千穂(宮崎)
 8位 黒川(熊本)
 8位 有馬(兵庫)
 8位 蔵王(山形)
11位 定山渓(北海道)
12位 白骨(長野)
13位 乳頭温泉郷(秋田)
14位 十勝岳(北海道)
15位 天橋立(京都)
16位 宇奈月(富山)
17位 霧島温泉郷(鹿児島)
18位 雲仙(長崎)
19位 城崎(兵庫)
20位 寸又峡(静岡)
20位 四万(群馬)
【参考】gooランキング「紅葉の季節に行きたい温泉」ランキング

2008年10月03日

温泉関連の排水対策促進検討会10月10日に第一回会合

 環境省は2008年10月2日、第1回の「ほう素・ふっ素等に係る排水対策促進検討会温泉分野技術検討会」を10月10日に開催すると発表した。検討会は公開され、事前に申し込めば傍聴することができる(申し込み先着15人まで)。

 水質汚濁防止法が定めるホウ素、フッ素などの排出規制は2007年7月1日から強化されたが、温泉旅館など21業種については3年間の猶予期間が設けられた。今回の検討会は(1)温泉旅館は施設数が多い(2)その排水中には自然の多種多様な成分が含まれている(3)全国的な排水実態が十分に明らかにされていない−−などの現状を踏まえ、調査を行うとともに排水処理促進のための技術的検討を行うのが目的。

 検討会は10月10日の午後1時半から午後4時までの予定で、株式会社日水コン2205会議室(新宿区西新宿6−22−1 新宿スクエアタワー22階)で開かれる。傍聴希望者は10月8日までに申し込みが必要。詳細は下記リンク先の参考サイトを参照。

【参考】環境省のプレスリリース(10月2日付)

【過去の関連記事】
環境省、温泉排水の実態調査へ−全国10−20カ所の温泉地で(2008年2月25日)
温泉排水のフッ素とホウ素を回収、再利用へ−環境省の3年計画(2007年9月18日)
環境省、温泉排水に関するパブリックコメントの結果を発表(2007年5月26日)
環境省、温泉排水基準の規制強化先送りを発表(3月30日)
環境相、温泉排水基準の規制強化を先送りする意向(3月21日)
【コラム水質汚濁防止法】規制強化の先送りだけでは不十分(2月25日)

2008年08月28日

環境省、温泉施設によるメタンガスの有効利用を助成へ

 環境省は温泉から発生するメタンガスを温泉施設が有効活用する経費を一部補助する方針を決めた。2009年度から実施する見通し。2008年8月28日付の毎日新聞夕刊が伝えた。

 2007年6月に東京都渋谷区の温泉施設シエスパでメタンガスによる爆発死傷事故が起きて以来、温泉のメタンガスを大気中に排出して事故を未然に防ぐ対策が講じられ、10月には温泉法が改正される。

 ただ、メタンガスの大気中への排出には中級温暖化への影響を懸念する声も強く、メタンガスの有効利用を促進することになった。環境省はメタンガスを貯蔵して発電に使い発電した熱で温水を供給する熱源供給(コージェネレーション)を想定しているという。温泉の熱を空調に利用するヒートポンプについても助成する考え。

 毎日の記事は短く、温泉から発生するガスを上記のように利用する際に鉱業法に基づく鉱業権の取得が必要か否かについては触れていない(私は専門家ではないので分かりません)。

2008年08月19日

2007年度全国市町村別温泉入湯客の増減ランキング

 北海道観光土産品協会のまとめた2007年度の全国市町村別温泉利用者数ランキングを基に、日帰りと宿泊を合計した温泉利用者数が前年比で2ケタ増減の増加と減少を記録した市町村を集計してみた。カッコ内は当該市町村にある主な温泉地ないし温泉施設(ただし、減少ランキングには個別の施設名は記載していない)。
 
ランキングの内容を見る

2007年度全国市町村別温泉利用者数ランキング

 北海道観光土産品協会はこのほど2007年度の全国市町村別に温泉利用者(宿泊・日帰りの合計)ランキングを集計、上位200位までを発表した。上位20位までのランキングは以下の通り(利用客数は万未満切り捨て。カッコ内は前年比増減)。
 1位 神奈川県箱根町 642万人(11.1%増)
 2位 北海道札幌市 378万人(0.3%減)
 3位 栃木県日光市 330万人(3.0%増)
 4位 静岡県熱海市 302万人(4.6%減)
 5位 静岡県伊東市 283万人(4.4%減)
 6位 静岡県浜松市 257万人(33.7%増)
 7位 群馬県渋川市 253万人(1.0%減)
 8位 大分県別府市 227万人(2.9%増)
 9位 宮城県仙台市 197万人(2.3%減)
10位 群馬県草津町 196万人(1.6%減)
11位 岐阜県下呂市 187万人(不明)
12位 石川県加賀市 184万人(7.2%減)
13位 北海道函館市 170万人(2.0%減)
14位 山形県鶴岡市 164万人(2.5%減)
15位 栃木県那須町 162万人(0.8%減)
16位 岐阜県高山市 162万人(0.8%減)
17位 北海道登別市 159万人(0.1%増)
18位 群馬県みなかみ町 149万人(0.2%増)
19位 福島県郡山町 144万人(3.0%減)
20位 栃木県那須塩原市 138万人(5.1%減)
 1位の箱根町の温泉利用者数は2位の札幌市の1.7倍と強さが際立っている。

【参考】北海道観光土産品協会公式サイトの統計ページ

2008年07月22日

賀曽利隆氏の3000湯めぐりがギネス記録認定へ

 2006年11月にスタートした湯巡り企画「賀曽利隆の300日3000湯めぐり」がギネス記録として認定されることになった。おめでとうございます。

 「1年間で最も多くの温泉地を訪れ入浴する」というカテゴリの新設を申請し、「1年間で3063カ所の温泉に入る」という記録が認定されることになった。2008年7月17日に昭文社に知らせが入ったという。

 ギネス・ワールド・レコーズ社の公式サイトでは最新の記録追加が7月15日となっており、7月22日現在は関連情報はまだ掲載されていないもよう。

 上記の情報は3000湯事務局クワハラさんから過去記事へのコメントでお知らせいただきました。

【参考】賀曽利隆の300日300湯めぐり事務局ブログ7月18日付のエントリー「速報−3000湯企画ギネス世界記録認定へ」

【過去の関連記事】
賀曽利隆の300日3000湯巡り、11月1日スタート(2006年10月19日)

スパトライアスロン、2008年は4カ所で開催

 トライアスロンと温泉を融合させた新しい競技スポーツ「スパトライアスロン」の2008年大会が福島県の2会場と千葉県、新潟県の計4カ所で開催されることになった。内訳は以下の通り。
 9月23日 福島・猪苗代大会
10月 5日 千葉・館山大会
10月13日 新潟・岩室温泉大会
11月 2日 福島・いわき大会
 スパトライアスロンは2007年に福島県のいわき市で初めて開催され、2008年は2年目。規模が一気に拡大する。

 競技内容は各大会によって異なる様子だ。既に概要が発表されている猪苗代大会はクロスカントリー&トレイルランに温泉ウォーク、湯上がりジョグを組み合わせた約8キロのハーフコース、館山大会はジョギング、砂山チャレンジ、足湯、海ホタルランを組み合わせた7キロと14キロの2種類のコースとなっている。それぞれ競技性のないスパアスロンも実施される。両大会とも参加者を募集中だ。詳細は下記公式サイトを参照。

【参考】スパトライアスロン2008の公式サイト

【過去の関連記事】
福島・いわきで「スパトライアスロン」大会10月8日開催(2007年7月16日)

2008年07月10日

「温泉シールラリーゆらん2008-2009」7/26日開始−124施設参加

 東海地方を中心とする「温泉シールラリーゆらん」が2008−2009年度はさらに対象地域を広げ、2008年7月26日から2009年6月30日にかけて開催される。

 参加する日帰り温泉施設は前回よりも34カ所も増えて全124施設となった。また、対象地域も4県が加わり全部で12府県に広がった。内訳(太字は新規参加の県)は岐阜(41)、愛知(19)、三重(9)、滋賀(4)、奈良(9)、京都(2)、兵庫(4)、静岡(7)、長野(9)、福井(12)、石川(2)、富山(6)。

 シールラリーに参加するには、参加施設でゆらん冊子を購入(1冊300円)、各施設で入浴する際にシールをもらって貼り付ける。3枚1口で応募可能で、口数によって「温泉番付」がつけられる。

 例えば「温泉序の口」は1〜3口、「温泉幕下」は11〜13口、「温泉大関」は22〜23口といった具合だ。温泉横綱は24口(72湯)で、今回から完全制覇しなくても温泉横綱に認定されることになった。124湯完全制覇すると「温泉親方」に認定される。

 応募者の中から抽選で1名にハワイのペア旅行券が当たるほか、14〜15口で認定される「温泉十両」以上の応募でオリジナル湯ふだなどのプレゼントもある。応募締め切りは2009年7月7日。

 「温泉シールラリーゆらん2008−2009」の開催については主催するゆらん事務局からお知らせをいただきました。ありがとうございました。なお、昨年は「東海の温泉」カテゴリに記事を分類しましたが、今回は参加施設がさらに拡大したため「全国の温泉」カテゴリとしました(複数カテゴリへの分類が不可能なため)。

【温泉シールラリーゆらんの公式サイト】http://1126onsen.info/

2008年07月07日

第27回温泉功労者8人と3団体を発表

 環境省は2008年7月7日、第27回温泉関係功労者を発表した。個人8人と3団体が選ばれた。温泉の保護およびその適正利用に顕著な功績のあった人物を毎年表彰しているもので、今年は27回目。

 2007年6月に東京・渋谷の温泉施設シエスパで爆発死傷事故が起きたことを受け、今回の対象者は可燃性天然ガスによる災害の防止の功績が評価された人が目立った。

 表彰式典は7月10日の午前11時25分から環境省の第1会議室で行われる。表彰されるのは以下の11名(敬称略、あいうえお順、カッコ内は年齢)。各人の功績の概要は下記リンク先の環境省資料を参照。
■猪熊茂子(66)
日本温泉気候物理医学会理事長

■相馬恒雄(72)
富山県環境審議会温泉専門部会部会長

■田中一誠(74)
千葉県環境審議会委員

■中島和一(77)
兵庫県環境審議会温泉部会特別委員

■根津文博(63)
日本温泉協会副会長、北海道温泉協会理事

■藤則雄 (76)
石川県環境審議会温泉部会部会長

■森芳信 (67)
福島県自然環境保全審議会温泉部会部会長

■吉池雄蔵(64)
東邦大学准教授、中央温泉研究所理事

■浅虫温泉事業協同組合

■伊豆長岡温泉事業協同組合

■熊本県温泉協会
【参考】環境省のプレスリリース

【過去の関連記事】
環境省、第26回温泉関係功労者8名を発表(2007年7月2日)

2008年06月10日

伊東園グループが無料宿泊モニター募集中

 伊東園ホテルグループは2008年8月から10月にかけてグループ内の3カ所のホテルに宿泊するモニターを募集中だ。モニターは抽選で選ばれる。応募締め切りは6月20日。

 応募できるのは18−70歳の健康な人で、家族や友人同士など2−6人のグループを作って申し込む。伊東園の「泊まってよかった体験レポート」にグループ全員の写真入りで体験談を寄せられることが応募条件。対象施設と実施日は以下の通り。
8月26日から27日 東山パークホテル新風月(福島・東山)
9月24日から25日 伊東園ホテル別館(静岡・伊東)
10月21日から22日 金太夫(群馬・伊香保)
 いずれも平日なので会社勤めの人には厳しい日程かもしれない。宿泊(1泊2食)が無料になるのみで、往復の交通費は自己負担。応募はグループ全員の写真を添付してメールで。詳しくは下記リンク先を参照。

【参考】伊東園ホテルグループの無料モニター募集ページ

2008年06月08日

国交省、ニューツーリズム実証事業に温泉関連も9カ所採択

 ヘルスツーリズムや産業観光など新しい形態の旅行(ニューツーリズム)商品市場の活性化を目指す国土交通省は、成功事例を蓄積するためのモニターツアー実証事業の第一陣として、全国から応募のあった中から46事業を採択し、2008年6月6日に発表した。

 ツアータイトルや概要に「温泉」という言葉が出てくるのは以下の8事業。ツアータイトルと概要は以下の通り。催行予定日など詳細は下記リンク先を参照。

■北海道・豊富
「ミライノトウジ〜神秘の湯『豊富温泉』〜4日間お試しツアー」
 豊富温泉の湯の効能に光を当て、道北の新しい観光素材の開発に取り組む。

■宮城・大崎
 「鬼首温泉『キノコ採取とすすき野原』体験」 採取した「キノコの鑑定」と「キノコの展示」、「きのこ鍋」など。(鬼首温泉と表記されているにもかかわらず、温泉との直接的な関連は説明されていない)

■山形・大蔵
「アートと過ごす・現代湯治in肘折温泉」
 温泉治療用と地元ガイドによる町歩きを中心に、東北芸術工科大との共済による芸術体験を実施。時代にマッチした新しい湯治スタイルを提案。

■山梨・湯村
「温泉ではじめる・つづける健康アップツアー」
 山梨大学医学部との連携で健康改善プログラムを個別に作成、温泉組合は食事メニューなどで関わる。

■新潟・魚沼
「ココロとカラダのリラックス『うおぬま健康増進』プラン」
 メタボ対策として健康増進プログラムの提供、大湯温泉での宿泊滞在。

■静岡・下田
「海洋浴の郷・下田で徹底的に健康になろう『伊豆下田マリンセラピー体験』」
 優良な水質の海、豊富な温泉、開国の歴史、自然の幸、特産物、宿泊・体験施設などを連携させた健康保養ツーリズムを提案

■和歌山&奈良・田辺&十津川
「世界遺産熊野古道『健脚!健浴!語り部が磨き上げる小辺路スペシャル』」
 十津川温泉郷、川湯温泉、湯の峰温泉、渡良瀬温泉を熊野古道ウォークの基点とし、健康ウォークの最適地域とする。

■鹿児島・指宿
「砂蒸し温泉体験・滞在型観光開発事業『指宿だヨ!全員集合』」
 専門家からの指導・健康チェックなどを組み入れた砂蒸し温泉入浴、地域の健康食、体験ウォーキング。

■長崎・小浜
「ほっこりしましょ 癒しの湯治体験“温泉、海に沈む夕陽、健康食、町歩き”なんでもあるばい!小浜温泉ちゃんぽんツアー」
 温泉医の講和・指導により熱量日本一の温泉に入浴する。

 温泉=健康というのは誰でも比較的簡単に思いつくはずで、似たり寄ったりの内容が多いなぁという印象。専門家による入浴指導や健康的な食事だけでは差別化は難しいのではないだろうか。個人的には熊野古道ウォークと温泉の組み合わせに一番関心を持った。

【参考】国土交通省のプレスリリース


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